大判例

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高松高等裁判所 昭和30年(く)5号 判決

しかし本件起訴に係る事実の要旨は被告人は相被告人金仁好と共に営利の目的を以て昭和二九年一二月八日頃から昭和三〇年三月二四日頃迄の間前後五回に亘り孰れも林光義に対し覚せい剤注射液二CC入アンプル三七〇〇本乃至五〇〇〇本を代金一万三千円乃至一万七千五百円にて譲渡した外同年四月一八日頃被告人肩書居宅に於て覚せい剤注射液四CC入アンプル五四六二本を製造したというのであつてその犯行の期間、右譲渡及び製造の回数、数量等から見てこの場合原審が被告人の右所為を覚せい剤取締法第四一条第一項第四号、同条第四項の罪を常習として犯したものとしてその保釈を許さなかつたことは相当であり、何等違法と認むべきでない。蓋し刑事訴訟法第八九条第三号に所謂常習とはその罪質を同じうする犯罪が一種の習癖として反覆して行われたと認め得られる場合をいうのであつて必ずしもその常習性が犯罪構成要件として訴因にとり入れられている場合に限らないのは勿論この場合同種の前科のあることも必要としないと解すべきであるからである。

(裁判長判事 三野盛一 判事 谷弓雄 判事 合田得太郎)

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